YES/イエス

CELEBRATING 50 YEARS OF YES

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  • YES 来日公演迫る!シンコーミュージックの笹川孝司さんによるコラムを掲載!
    2019.02.05
     いよいよ来日公演が目前に迫ったイエス50周年記念来日公演。シンコーミュージックの笹川孝司さんが、雑誌やムックの取材・編集で接してきたバンドについて、文章を寄せてくださいました。

    バンド結成50周年を迎えたイエスの昨日、今日、明日

    2018年は、ブリティッシュ・ロック史に大きな影響を与えたたくさんのバンドが“結成50周年”を迎えたアニヴァーサリー・イヤーだった。レッド・ツェッペリン、ディープ・パープル、ブラック・サバス、そしてイエスもバンド結成50周年を迎えた。50年前、つまり1968年のイギリスはこうしたやる気満々の若者たちであふれかえっていたというわけだ。この年11月、ビートルズは『ホワイト・アルバム』をリリースした。若きミュージシャンたちが、ビートルズの最新作に大いに刺激を受けただろうことは想像に難くない。「よし、俺たちもいつか、ダブル・アルバムを作るぞっ!」……と言ったかどうかは定かではないが。
     一口に“50年”というが、“半世紀”というのは考えてみれば相当すごいことだ。イエスの場合、解散や再結成、活動停止などがあったので、きっちり50年にわたって活動を続けていたわけではないが、それにしても50周年である。数多くのメンバー・チェンジがあったとはいえ、イエスというバンドが現在進行形で活動を続けているという事実に、まずは感謝しなければならない。
     現在のイエスは、今では最古参のメンバーとなったギターのスティーヴ・ハウ(71歳)、イエス在籍期間ではそのハウを上回るドラムのアラン・ホワイト(69歳)、バグルズからの加入でイエスに新風を吹き込んだキーボードのジェフ・ダウンズ(66歳)もエイジアでの成功ですっかり貫録をつけた。前任のベノワ・デヴィッドに代わって2012年からヴォーカリストとしてステージに立つジョン・デイヴィソン(48歳)も早7年目となる。そして2015年に他界したクリス・スクワイアの意思を引き継いだベースのビリー・シャーウッド(53歳)も、すっかりイエスのメンバーとして溶け込んでいる。

    ムック『THE DIG Special Edition イエス』の企画・編集

    幸運なことに、これまでにイエスの歴代メンバーの多くに取材でお会いすることができた。ジョン・アンダーソン、クリス・スクワイア、ビル・ブルフォード、トニー・ケイ、スティーヴ・ハウ、リック・ウェイクマン、パトリック・モラーツ、ジェフ・ダウンズ、トレヴァー・ラビン。不思議なオーラを放つ人(ジョン・アンダーソン)、ちょっと気難しそうな人(スティーヴ・ハウ)、とにかく陽気でおしゃべりな人(リック・ウェイクマン)、意外に気さくな人(トニー・ケイ)、表情は怖いがフレンドリーな人(ジェフ・ダウンズ)など、文字通り十人十色。しかし、全員に共通していたのは、誰もがイエスのメンバーであること(あったこと)をとても誇りに思っているということだった。
     中学生の頃、友達から借りた『ミュージック・ライフ』を授業中にこっそりと読んでいた僕にとって、いつかはイエスに関する本と作りたい、というのは編集者となってからの密かな願望だった。思い叶って、2005年に書籍『イエス・ファイル』(監修:片山伸)、続いて2016年11月に『THE DIG Special Edition イエス』というムックを作ることができた。特に後者は、2015年6月に逝去したクリス・スクワイアへの追悼の意を込めたものであり、それを機にこれまでのイエスの活動を総括するつもりで編集したものだった。同書はイエスの9回目の日本公演に併せた刊行となり、現在のメンバーであるスティーヴ・ハウとビリー・シャーウッドの最新インタヴューを掲載することができた。そのインタヴューの中でスティーヴ・ハウは、こんな印象的な発言をしていた。

    「このバンドは8年間、音楽をプレイすることに取り組んできた。(中略)スタジオで創造が始まった正真正銘のヴァージョンを、だ。だから我々は最初『危機』をやったんだ。エディットもなく、変更もなく、キーも変えずにやりたかった。オリジナル・キーの響き、曲のオリジナルのアレンジが気に入ってるんだ。つまり、《イエスはオリジナル・レコーディングに限る》ということを言いたかったんだろう。しかし種々の状況によっては、それは我々にはどうすることもできなかった。だが今のラインナップは、イエスの音楽の一番いい扱い方を明言することにしたんだ。それは、まずアルバムを完全再現することだ。さらに、同じキーと同じアレンジで再現すること。もちろん、曲によってはエンディングを作らないといけなかったけどね」

    また、大役を引き継いだビリー・シャーウッドは、現在のイエス、そして未来のイエスについてこう語った。

    「イエスは昔からチームだった。チームのメンバーは変わっていったけど、野球やアメフトと同じく、フランチャイズは変わらない。そうすればバンドを興味深いものにすることができることをイエスは証明したと思う。これだけメンバー・チェンジがあったのに、それぞれがユニークかつ素晴らしくて、今後も前進していくだろう。僕は音楽を、アートを前に進めていくだけだよ。それができればできるほど、僕はハッピーになる。だから、この前に進む動きの一端を担うことができて光栄だよ」

    イエスのオフィシャル・サイトを見てみると、「WE ARE YES」というメニューの中には、「CURRENT LINE UP」の他に「ALUMNI」として、ジョン・アンダーソンをはじめ、ツアー・メンバーだったトム・ブリズリン、エンジニア/プロデューサーのエディ・オフォード、そしてアートワークを手掛けてきたロジャー・ディーンまでもが“アルムナイ=同窓生”として紹介されている。
     前回の来日公演同様、アラン・ホワイトのサポート・ドラマーとして参加しているジェイ・シェレンも、ジョン・デイヴィソンやビリー・シャーウッドがそうだったように、やがては正式なファミリーの一員として、イエスを支えていくのだろう。

    メンバーは代わっても引き継がれていくイエス・ミュージック。イエスの音楽を聴き続けてきた悦びと、イエスの今を楽しめることの喜び。イエスのメンバーと共に過ごすイエス・ミュージックの宴をしっかりと楽しみたい。

    笹川孝司/編集者

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