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  • JOURNEY ニール・ショーン インタビューを公開!
    2024.07.16

    Neal Schon Interview / ニール・ショーン インタビュー

    Q:バンド結成50周年を記念し、最新アルバム『Freedom』の名を冠した今回のツアーですが、日本公演はどのようなものになるか、ファンは何を期待できるか、ショーのハイライトは何になるか教えてください。

    Neil Schon:君がどの時代のジャーニーを見たんだとしても、これまで見たどれよりも、エネルギッシュなステージになることは期待してくれていいよ。僕も、バンドも、エネルギーだけはまだ失っちゃいないからね。まだ持ち続けている。ステージに上がった瞬間、スイッチが入って、最高の音楽が生まれてくるんだ。当然ながら『Freedom』からの新曲も演奏するだろう。実は何曲もリハーサルはしたのに、なぜかこれまで行った全米ツアーでは1〜2曲しか演奏できなかった。なので、日本ではどの曲を演奏することになるか、僕自身も楽しみなんだ。楽しいショーになることを期待してる。

    Q:コロナ禍を超えて、変わらずツアーを精力的に行っていますね。あなた自身にとって、またジャーニーというバンドにとって、ライヴとはどのようなものですか。

    N:僕にとって、ライヴは絶対に手放せないものだよ。スタジオに入って、何かを作るのももちろん大好きだが、ライヴを超えるものは何もないんだ。観客を前に音楽を演奏し、それがちゃんと伝わっていることが感じられる時、僕らは彼らをどこにでも連れて行ってあげられていると感じられるんだ。コンサートのさまざまな瞬間でね。それは音楽の旅、まさに音楽のジャーニーさ。そう思える時にものすごく大きな充実感を感じるよ。これは他では感じることがない感覚だし、これからもそれを超える感覚はないと思う。

    Q:キャリアを重ねてこそ見えてきた、音楽の魅力、コンサートの魅力がありますか?

    N:レパートリーが増えるに従って、演奏にしても、楽器にしても、僕が学べることには終わりがないなと感じるんだ。言ってみれば、頭の中で想像したことを、僕はいつまでも追い続けているんだ。曲を書くにしても、最初に想像できなければ何も書けない。そうだろ?今は昔大好きだったアーティストの音楽に戻って、聴くことが多いよ。ロックに限らず、例えばマイルス・デイヴィスの70年代や80年代前半の作品とか。今はそこら辺の音楽をよく聴いている。ジャーニーとは全然違うかもしれないけれど、誰もが十分に柔軟な考えを持って、それを許すなら、何かが起こるための場所はあるんだ。今、僕が夢見てるのはジャーニーがこれまでやって来たことを全て、最初から現在、そして未来までを一つにまとめて、形にすること。例えば、ラスヴェガスのスフィアのような会場でジャーニーがやる姿が、僕には想像できるんだ。まだ現地に行ったことはないんだけど、音楽と映像を駆使したあの会場でいろんなバンドがやっているのをYouTubeで見た。初めて見た瞬間から、「フィッシュやジャーニーがここでやる姿が想像できる」と思ったんだ。あそこでならビジュアルでまず世界に入り込み、そこから音楽へとさらに入っていくことができる。音楽を普段からいっぱい聴いて耳の肥えた人たちはともかく、ごく平均的な「ヒット曲は知っている」「ラジオでかかった曲は覚えている」という人たちにより音楽的な体験をしてもらうには、視覚も提供しないと。なので、あの会場のような本格的なアート体験を加えることで、音楽をさらに推し進めることができる。フィッシュを例に挙げたのは、たまたま前に彼らのライヴを見たことがあるからさ。あそこはマイルス・デイヴィスやジミ・ヘンドリックスといった60年代後半〜70年代のサイケデリック期のトリップ感のある音楽を見て、感じるのに最適だと思う。若い世代にとっては初めて知る新しい世界だ。その時代のバンドはもういないわけだから、僕らが時代を先に進めつつ、当時がどうだったか、その要素を捉えたことが何か出来たら、すごくおもしろいんじゃないかと思ってる。

    Q:スフィアでのジャーニーを期待しています。

    N:果たしてやれるか…やってみるさ!(笑)

    Q:実に11年ぶりにリリースした新作『Freedom』は、過去の焼き直しでない一段とパワーアップされた素晴らしい作品でした。アルバムについて教えてください。

    N:コロナ禍のロックダウン中に、自宅でキーボードを弾くようになったことがスタートさ。これまでもキーボードは弾いていたが、それほどではなかった。今回、KORGのキーボードにすごくいいドラムループがあって、それで最初に書いたのが「The Way We Used To Be」だった。それをジョナサンに送ったら、すぐにコーラスとヴァースを書いてくれた。最初はそれほど期待していなかったんだ。あまりジャーニーらしい曲調ではないと思ったからさ。だから曲が出来上がっていったことにすごく興奮して、そのままバンドのための新曲を書き続けていったんだ。でもメンバーの中には全く新しいことに挑戦する柔軟さがある者もいれば、これまでやったことの枠に留まる方が安全だと思う者もいる。でも僕は一歩先に進むためには、新しいものを作りたいと思った。レディオヘッドみたいなバンドを見るとそれを感じる。好き嫌いは別として、彼らは作り出すエネルギーはすごいと思う。リアルなんだ。そうやってリアルなものでなければならないと思う。ただ以前にうまく行った方程式を再現するだけじゃダメだ。「前にもこれでうまく行った。だからもう一回やらなきゃ」。いや、そんな必要はない。ヒット曲に似てるので、ライヴではもう演奏しなくなった曲はいっぱいあるよ。これ以上、そんな曲を増やしても意味がないと思う。これまでのジャーニーにはないタイプの、でも素晴らしい曲を作っていきたいんだ。

    Q:ジャーニーというバンドは古くからのファンのみならず、若い世代のファンもいますね。世代を超えた支持を得ている理由は何だと思いますか。

    N:彼ら(若い世代)が僕らの音楽を好きでいてくれるという事実こそが、その理由さ。それを目の当たりにしたのは、シカゴのフェスに出た時だ。えーーっとあれは…

    Q:ロラパルーザ?

    N:そうだ、ありがとよ。ロラパルーザに出たのはその時が初めてだし、それまでは声が掛かったこともなかった。ロラパルーザはどちらかというと、メインストリームのアクトはあまり出ない。で、僕らはいわゆるメインストリームだと思われているじゃないか。でもあの晩の僕たちに対する観客の反応は、とてもそんな感じではなかったよ。前から10列くらいを見ると10代くらいの若い子がぎっしりで、みんな歌詞も歌えるし、大盛り上がりなんだ。こちらが大胆になればなるほど、彼らはノってくる。「若い子は最高だ!」と思ったよ。彼らはどんなものを聴くのも恐れないし、ジャンルにこだわっていない。自分が知らないものは怖いから聴きたくない、ってことはないんだ。ジミ・ヘンドリックスが初めてアメリカで、モンタレー・ポップに出た時の様子が映像に残ってるが、あれを見ると、誰も彼が何をやってるか訳が分からず、あっけに取られて座ってるんだ。「怖がるべきなのか?いいと思うべきなのか?今度はギターを燃やしてるぞ。これは冒涜か?」と。でも前に、そして新しい時代に進むには、恐れててはいけないと思う。若い子たちは恐れていない。こちらが信じるものを提示すれば、彼らはそれを恐れずに聴いてくれる。でもその前に、まず僕ら自身が信じてなきゃだめなんだけどね。

    Q:そうやって80年代の音楽が今も若い人に意味を持っているのは、曲自体にパワーがあったから?もしくは、今よりも楽天的な時代のせいでしょうか?

    N:ジャーニーの歌詞は常に楽天的というか、前を向く歌詞だったと思う。政治のことを歌ったり、「こんなに俺は怒ってる。あいつを殺してやる」という、ダウナーなバンドだったことは一度もない。バンドは皆それぞれに違うので、いろんなバンドがいていいと思う。ジャーニーの歌はポジティヴだったというだけさ。でも確かに、楽曲自体は当時の方がよく書けていたね。今ラジオで耳にするのはどれも同じような曲ばかりだ。たとえ良い曲だったとしても、ものすごく新しいと感じられる曲にはめったに出会わない。所詮、音楽は良いか悪いか、耳をひくかひかないか、のどちらかなわけだが、良い音楽だったとしてもどこかで聴き覚えのある曲ばかりだ。僕は長くやってる分、歳を取ってる分、世界中のありとあらゆる偉大なミュージシャンやバンドを聴いてるんでね。自分なりの意見があるんだよ。僕の育った時代が違うんだ。かつて音楽はとても誠実で、クリエイティヴだった。今はコンピューターで、ベッドルームで1人で作れるので、狭い世界だ。人間的な要素がない分、人間がもたらす美しさやマジックが足りないんだ。

    Q:新作のリリースや今後計画していることがあれば教えてください。

    N:ジャーニーにはまだたくさんの可能性が残っていると信じているよ。最新作が正しいレーベルの元でリリースされるようにすごく努力したんだが、果たしてそうなったのか、今もまだわからない(苦笑)。『Frontiers』をめぐる裁判も続いている。レーベルとの話は弁護士に任せてて、僕はそこらへんの会話には関わってなかったんでね。で、(訴訟の)内容にも興味がなかったんで、弁護士が半年くらい関わっていたんだが「どうにもならない。君たちが自分でやってくれ」と言われ、関わることになり、結局、(『Freedom』は)BMGとやることになった。BMGは今の時代のColumbiaだ、君たちみたいなアクトに向いている、と言われたんだ。その選択は間違ってはいなかったと思うが、もう少しウェブサイトに予算をかけたり、アップデートに力を入れ、自分たちでチケットを売るようなことも出来たんじゃないかと思うんだ。レーベルは所詮レーベルだ。機能していないも同然だ。どんなに良いアルバムだろうと、リリースするだけ。出してすぐに結果が出なきゃ、そこまでだ。かつて、僕らがいたCBSは本物のレーベルだった。ジャーニーみたいなバンドを他には契約しなかった。EW&Fも彼らだけ。似たようなバンドを2つは契約しなかった。でも今は違う。レーベルとしての誠実さなんて、もうないんだ。今は、インターネットでアーティストが自分でヒットさせ、何百万のフォロワーがつけば、レーベルは大事にする。でもかつての本物のレーベルの時代は、アーティストが作ったものの味方になって、アーティストのために仕事をしてくれた。そんな時代はもう終わったんだよ。またそれが戻ってきてくれれば良いなと思う。僕らの旧譜は今、とても順調だ。『Greatest Hits』の新たなアナログのセールスが、1700万枚を超えたばかりだ。これは、新しいファンがダウンロードではなく、アナログ盤を買ってくれているということだ。僕自身、ダウンロードは好きじゃない。ミュージシャンにちゃんと金が支払われないということ以上に、音が良くないんだ。CDはまだいい音だよ。古いCD、カセットテープもいい。アナログもいい。でもダウンロードはすべてが圧縮されて、自分たちのアルバムじゃないみたいだ。『Freedom』をラジオで聴いた時、すごい!と我ながら思ったんだ。さすがのボブ・クリアマウンテンのミックスだった。ところがダウンロードで聴いたら最悪の音で「どうしちゃったんだ?」と思ったよ。

    Q:最後に、ジャパン・ツアーに向けての意気込みと、日本のファンへメッセージをお願いします。

    N:ニール・ショーンだよ。君たちの美しい国をまた訪れるのを本当に楽しみにしている。日本にはずっと戻りたかったよ。本当に大好きな国なんだ。昔からずっと。ジャーニーとして、これまでで一番のライヴになることを約束するので、一緒に楽しもう。みんなの笑顔に会える日が待ち遠しいよ。ありがとう。

    ニール・ショーンとジョナサン・ケインから、日本のファンに向けてメッセージ動画が届きました!!

    ジョナサン・ケイン インタビューはこちら

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