Q : あなたはソロ活動やDamn Yankees、TMGなど、バンド以外でも精力的に活動されてきました。今振り返って、それらの経験はNight Rangerにどのような影響を与えたと感じますか?
J:間違いなく、その経験はすべて、今の自分を作り上げているんだと思う。僕はとにかくプレイするのが好きだ。そして幸運にも、一流のギタリストと呼べる何人かとプレイさせてもらってきた。ブラッド・ギルス、ジェフ・ワトソン、テッド・ニュージェント、トミー・ショウ、松本孝弘…彼の演奏はホント信じられないほど素晴らしいよ。Revolution Saintsのダグ・アルドリッチもそう。全員が革新的で創造力にあふれた、本当に素晴らしい、驚異的なギタリストたちだ。しかも、どのギタリストとの経験も毎回違う。そこで得たエネルギーがNight Rangerに戻った時に活かされてきたのだと思う。リンゴ・スターと共演した時もまさにそう!あのエネルギーと興奮、そして圧倒的なグルーヴ感。彼のグルーヴって本当に最高で、ど真ん中でビートを刻んでいる感じなんだ。そうした経験はすべて僕の糧となり、バンドに持ち帰ることで、Night Ranger のサウンドや雰囲気作りに大きく貢献したと思う。
Q: Farewellツアーの後、Night Rangerとしての活動はいったん区切りを迎えることになりますが、今後、個人として考えている音楽活動や新たなチャレンジがあれば教えてください。
J:何より音楽が大好きなんでね。曲を書くのも、演奏するのも大好きだ。今も友人であるマット・ソーラムと一緒に音楽を作ってるところだよ。Guns N’ Roses のドラマーだったマットだ。前回のTMGのアルバムとツアーにも僕が誘ったんだ。
つい先日も、ラスヴェガスの友人のクラブ(Count’s Vamp’d)の閉店を記念してライヴをやったんだけど、ミュージシャン仲間が大勢集まってくれた。KISSのエリック・シンガーが「Sister Christian」でドラムを叩いてくれたり、Five Fingers Death Punch のベーシストのクリスと「Highway to Hell」でジャムったり…Skid Row のセバスチャン・バックとは、Damn Yankeesの「High Enough」で一緒に歌ったよ。
これから何が起こるかなんて誰にもわからないさ。ミュージシャンの友達は大勢いるし、他にもやってみたいことはたくさんある。でも、これまでもそうだったように、Night Ranger こそが僕の軸であって、これからもそれは変わらないよ。あと、TMGも!
Q:バンドを象徴するロゴ、こちらの制作秘話を教えてください。
J:最初、バンド名はただの Ranger だったんだ。デザイナーが作ってくれたのは、今と同じデザインで、ただ「Ranger」とだけ書かれたロゴだった。実際、『Dawn Patrol』は1万枚だけそのロゴが印刷されてしまっている。ところがアルバムを出す1週間前に、すでにThe Rangersというバンドがいることがわかった。その家族が名前を持ってて、代々家族ぐるみで使ってるんで、もし僕たちがその名前を使ったら、確実に裁判沙汰になるのが目に見えてたんだ。
たまたま『Dawn Patrol』で僕が「Night Ranger」という曲を書いていたので、ケリーやブラッドやみんなに電話をして言ったんだ。「だったら、Rangerの上に同じ字体でNightを入れたらどうだ?ハーレー・ダビッドソンのロゴみたいでクールだし、俺たちのブランドって感じがする。Van Halenともちょっと似てないか?Van Halen、Night Ranger…どちらも2ワードで一緒だ!」って(笑)
世の中には1万枚くらい、ロゴに「Night」というシールが貼ってあるのが出回ってるんだ。ビートルズの『Yesterday and Today』と一緒だね。上のを剥がすと、別のカバーが下に隠れてる、ってやつさ!
(※ビートルズのUSオリジナル・アルバム。アートワークが変更になったため、在庫に上から新しいカバーを貼り付けて出荷したものが出回っており、コレクターズ・アイテムになっている)
Q:ロゴの真ん中にスペースがあるのは意図的?今回はそこにFarewell Japan と書かれてますが…
J:あれは全くの偶然。でもあのスペースがあるおかげで、40th Anniversary、Final Tour、Goodbye、Rock in America…とその時々に、うまく利用させてもらえてきた。運が良かったとしか言いようがないね。