RUFUS WAINWRIGHT/ルーファス・ウェインライト

ALL THESE POSES Anniversary Tour 2019

NEWS 最新情報

  • RUFUS WAINWRIGHT 2ndアルバムの解説を掲載!
    2018.11.20
     前回の『ルーファス・ウェインライト』の解説に続いて、今回は『ポーゼス』の解説を掲載致します。3月の来日公演は『ルーファス・ウェインライト』と『ポーゼス』からの楽曲をパフォーマンスすることが決まっています。
     2つの解説を読んで来日公演に臨みましょう!

    『ポーゼス』(2001年)

    「興味深いキャラクターたちが大勢登場する戯曲みたいなもの」と、リリースに際して本作を形容していたルーファスだが、その戯曲の主人公が彼自身であることは間違いない。ファーストで少年期の自分を総括した彼はここにきてニューヨークに乗り込み、チェルシー・ホテルに長期にわたって逗留。部屋にピアノを持ち込み、自分の欲望に正直な若いシングル男性が新しい恋を、新しいスリルを探して都会を闊歩する、必ずしも健全とは言えない享楽的な日々を曲に綴った。そういう意味で、オープニングとエンディングに異なるヴァージョンで収められた、自嘲的ユーモア溢れる曲『シガレッツ・アンド・チョコレート・ミルク』は、当時の彼の自画像にほかならな い。この曲でちゃっかり先回りして許しを請うているセカンド・アルバムはつまり、なんでもトゥー・マッチなくらいやらないと気が済まない、放蕩息子の回顧録なのである。

    ラヴソングを歌うにしても、相手を崇拝し理想化する『グリーク・ソング』や『ザ・タワー・オブ・ラーニング』然り、塔に幽閉されたお姫さまになり切っている『レベル・プリンス』然り、今回はどれもファンタジーであることは明白だ。そして、同名のドキュメンタリー映画と『ベニスに死す』の世界を交錯させた『グレイ・ガーデンズ』から、中世ヨーロッパの宮殿を舞台に選んだかのような『ザ・コンソート』、タイトル通りにLAで繰り広げられる『カリフォルニア』に至るまで、ルーファスは時空を横断して冒険を続ける。

    そんな彼を、ファーストで活躍したピエール・マーチャンド、ロック畑のイーサン・ジョンズ、プロペラヘッズのアレックス・ギフォード、現代音楽のコンポーザーでもあるダミアン・レガシックといった具合に、様々なジャンルで活躍するプロデューサーたちがバックアップ。前作で打ち出したフォーク×クラシカル路線を踏襲しつつ、アレックスが関わった『シャドウズ』ではエレクトロニックなプログラミングを導入し、『カリフォルニア』ではいかにも西海岸ぽいロックを志向して、妹マーサらを交えて歌う父ラウドンの曲『ワン・マン・ガイ』では原曲のスタイルに則ってアコギ伴奏で歌うなど、より多彩で、かつ、曲によってはさらにエキセントリックなサ ウンドを掘り下げている。

    そして終盤、まさにエキセントリックな極と呼べる『イーヴィル・エンジェル』で放蕩生活のダークサイドを覗かせるルーファスは、『イン・ア・グレイヴヤード』で夢からふと醒めたかのようにリアリティと向き合う。アルバムは無事ハッピーエンドに終わるのだ。

    新谷洋子

  • RUFUS WAINWRIGHT デビュー・アルバムの解説を掲載!
    2018.11.16
     今回の来日公演でフィーチャーされるデビュー・アルバム『ルーファス・ウェインライト』と2ndアルバム『ポーゼス』の解説を音楽評論家の新谷洋子さんに書いて頂きました。
     まずは、1998年にリリースされた『ルーファス・ウェインライト』の解説を掲載致します。

    『ルーファス・ウェインライト』(1998年)

    2年を費やし、業界最高のミュージシャンたちを揃えて、50曲以上をレコーディング。オルタナティヴ・ロックのブームもひと段落した時期で、特に実績があるわけでもなく、非常に特異な美意識を備え、ゲイであることを公言する新人シンガー・ソングライターを、大手レーベルがサポートを惜しまずに送り出す――。今とは時代が違うとはいえ、ルーファスは破格に恵まれた状況下でデビューを果たしたと言えるが、それだけの価値があったことをこの傑作アルバムは雄弁に物語っている。

    その業界最高のミュージシャンたちとは、デモ制作の段階から関わったカナダ人プロデューサーのピエール・マーチャンド(サラ・マクラクランとのコラボで知られる)、ジョン・ブライオン、ヴァン・ダイク・パークス、ジム・ケルトナー、トム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズのベンモント・テンチといった面々。ルーファスが弾くピアノと彼のバリトン・ヴォーカルを核にしながら、ヴァン・ダイクが腕を振るった優美なストリングスほか、クラシカルなアレンジメントを全編に施し、オペラをこよなくルーファスならではの、絢爛でシアトリカルなアウトサイダー・ワールドに辿り着いている。

    リリシストとしてもやはりシアトリカルな表現を好み、制作当時20代に突入したばかりだった彼は、16歳の時に母との複雑な関係について書いた『ビューティー・マーク』を筆頭に、10代の自分の体験を赤裸々に描く。『ミルブルック』ではニューヨーク郊外の全寮制高校で過ごした数年間を回想し、ヴェルディのオペラ『マクベス』から歌詞を引用した『バルセロナ』ではエイズと死の恐怖を語り、『フーリッシュ・ラヴ』『ダニー・ボーイ』『サリー・アン』の3曲では、不吉な予感を抱きながらものめりこまずにいられなかった、ひとりの男性への想いを吐露。一方、『イン・マイ・アームズ』と『ベイビー』は、ドラッグ中毒でのちに自殺してしまった、また別の恋人に宛てられ、リヴァー・フェニックスの死にインスパイアされた『マチネー・アイドル』は夭逝したスターたちに、『ダムド・レディーズ』はオペラのヒロインたちにそれぞれ捧げて、悲劇的・破滅的なシナリオに酔いしれるロマンティックな青年像を浮き彫りにする。結果的には、決して商業的に成功を収めたわけではなかったものの、その後のインディロックのシーンに大きな位置を占めることになるチェンバーポップを先取りするランドマーク的作品であり 、ルーファスの20年のキャリアの強固な礎がここにある。

    新谷洋子

  • RUFUS WAINWRIGHT ビデオ・メッセージが到着!
    2018.11.14

    ルーファス・ウェインライトからビデオ・メッセージが到着しました!

    11年振りにバンドを引き連れて『ルーファス・ウェインライト』と『ポーゼス』をパフォーマンスするデビュー20周年記念公演は現在先行予約を受付中です!

  • RUFUS WAINWRIGHT 最新動向&深く知るための手引きを掲載!
    2018.11.09
    常に多彩な音楽活動に勤しむルーファス・ウェインライト。
    音楽評論家の新谷洋子さんに、前回来日(2015年)以降から現在に至るまでのルーファスの動向をまとめてもらいました。

    さらに、前回来日時に掲載した同じく新谷さんによるルーファスをより深く知るための手引きも再掲載!
    2019年3月のデビュー20周年記念公演に向けて、ルーファスの全容を再確認する絶好のテキストとなっています。

    今後は『ルーファス・ウェインライト』、『ポーゼス』のアルバム解説も掲載予定です!

    ルーファス・ウェインライトがピアノとギターの弾き語りによるソロ・パフォーマンスを東京と大阪で行なったのは、2015年秋のこと。当時彼が立っていた場所を振り返ってみると、前年に初のベスト・アルバム『Vibrate: The Best of Rufus Wainwright』を送り出したルーファスは、同作の内容をラフになぞったライヴを披露するツアーをスタートし、その一環として来日が実現。ちょうど日本を訪れる直前に、2009年に上演した初のオペラ作品『Prima Donne』のスタジオ録音盤(演奏はBBC交響楽団)をクラシックの名門ドイツ・グラモフォンから発表しており、キャリアの最初の15年間を総括していたようなところがある。

    開けて2016年4月、7作目『アウト・オブ・ザ・ゲーム』以来4年ぶりとなるニュー・アルバムが届いた。引き続きドイツ・グラモフォンからリリースされたその『Take All My Loves:9 Shakespeare Sonnets』(日本盤未発売)は、ウィリアム・シェイクスピアのソネット(十四行詩)を歌詞に用いて楽曲にアレンジするというプロジェクトで、ルーファスは俳優の故キャリー・フィッシャーやヘレナ・ボナム・カーター、妹のマーサ、フローレンス・ウェルチといった豪華ゲストを迎え、アレンジャー兼ディレクターとしての才覚も発揮しながら、9つの曲をレコーディング。そもそも、演出家のロバート・ウィルソンの依頼を受けて舞台作品『Shakespeare’s Sonnets』(2009年)のために5編のソネットに曲をつけたのが発端で、シェイクスピアの没後400年を記念し、改めてフル・アルバムとして掘り下げたものだ。

    そしてフローレンスらを交えてアルバムを再現するコンサートをロンドンで行なったのち、6月には、初演から10周年を機に『Rufus Does Judy』をニューヨークとトロントで再演。ほかにもこの年は客演の機会が相次ぎ、マーサの『Goodnight City』(『Francis』のソングライティングを担当)やピンク・マティーニの『ジュ・ディ・ウイ!~ピンク・マティーニの素晴らしい世界』(『ブルー・ムーン』のヴォーカルを担当)、ロビー・ウィリアムスの『ザ・ヘヴィー・エンターテインメント・ショー』(『ホテル・クレイジー』のゲスト・ヴォーカルを担当)に参加。9月にニューヨークのラジオ・シティ・ミュージック・ホールで開かれた、トニー・ベネットの90歳の誕生日を祝うコンサートにも、レディー・ガガやダイアナ・クラールと共に出演し、『捧ぐるは愛のみ』を歌っている(ライヴ・アルバム『ザ・ベスト・イズ・イェット・トゥ・カム~トニー・ベネット90歳を祝う』に収録)。

    続く2017年は1年の大半をツアーに費やし、ドバイで初めて公演する一方で、秋に『Wainwright Libre!』なるユニークなイベントをハヴァナで敢行。かねてから度々キューバを訪れていた彼が、ファンと共に5日間をハヴァナで過ごし、現地のオーケストラと共演するコンサートやワークショップなどを行なって、キューバのカルチャーを楽しむという企画だ。そして今年に入ってからもツアーを続ける傍ら、カナディアン・オペラ・カンパニーとのコラボレーションで、2本目のオペラ作品『Hadrian』の準備を進め、いよいよ10月13日にトロントで初演の日を迎えた(トーマス・ハンプソンやカリタ・マッティラら世界的なオペラ・シンガーが出演)。若い頃にマルグリット・ユルスナール著の『ハドリアヌス帝の回想』を読んでからというもの、ずっとオペラ化する夢を暖めていたというこの作品の主人公は、ローマ帝国の第14代皇帝ハドリアヌス。恋人アンティノウスと彼の関係を核にしたストーリーは、同性愛者を巡る状況から中東紛争まで、近年の世界にも関連付けられるテーマを多分に含んでいるという。

    近年の世界と言えば、政治・社会的な活動にも引き続き精力的に取り組んでいる。母ケイトが設立したケイト・マクギャリグル財団(彼女の命を奪った肉腫の治療研究を支援)の活動をマーサと共に支えていることはご承知の通りだが、最近では、アートを通じて重病や障害を抱える人々を支援する団体The Art of Elysiumのために昨年提供した、スティーヴィー・ワンダーの『涙をとどけて』の美しいカヴァーも話題を集めたものだ。

    また、2016年のアメリカ大統領選挙では民主党のクリントン候補の応援活動に携わったルーファスは、トランプ大統領の就任後も様々な局面で、他のアーティストたちと同様に批判の声を上げてきた。そして2018年の中間選挙に向けて人々に投票を促すべく、さる10月19日、痛烈な政権批判を含んだ新曲『Sword of Damocles』を公開(“Sword of Damocles=ダモクレスの剣”とは、古代ギリシャ・シラクサの僭主の廷臣ダモクレスに因み、権力の座にある者の身に危険が迫っていることを仄めかす言葉)。ジョージ・W・ブッシュ政権に宛てた『ゴーイング・トゥ・ア・タウン』(2007年)に次ぐこのルーファス流プロテスト・ソングは、俳優のダレン・クリスが出演するビデオクリップ共々、大きな注目を浴びている。

    そんな彼は目下、ミッチェル・フルームのプロデュースによるニュー・アルバムを制作中だと報じられているが、その完成を待たずに、11月9日からまた長期のツアーに突入。来年5月末まで続く、“All These Poses Anniversary Tour”と題された今回のツアーでは、ちょうど20年前に発表したファースト・アルバム『ルーファス・ウェインライト』とセカンド・アルバム『ポーゼス』(2001年)の収録曲を、バンド編成でプレイする予定だ。北米とオセアニア各地を回ったのちに日本にやって来るルーファスは、きっとたくさんの思い出話を織り交ぜながら、懐かしい曲の数々を聴かせてくれるのだろう。

    新谷洋子

  • RUFUS WAINWRIGHT 11年振りのバンド編成!デビュー20周年特別記念公演が決定!
    2018.11.05
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