BOZ SCAGGS/ボズ・スキャッグス

Out of the Blues Tour

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  • BOZ SCAGGS 東京初日公演のライヴレポートが到着!
    2019.05.08
    約4年ぶりとなる日本ツアーを敢行中のボズ・スキャッグス。昨夜行われた東京初日公演のレポートとライブ写真を公開します。
    東京公演は3日間ソールドアウト!残すチャンスは大阪、広島、名古屋公演のみです。お見逃し無く!

    ザ・ヴォイス・オブAOR、ボズ・スキャッグスの4年ぶりとなるジャパン・ツアーから、5月7日の東京公演初日を観てきた。<Out Of The Blues Japan Tour>と銘打たれた今回は、5月5日の仙台に始まり、7日〜9日までの東京(ソールドアウト!)、11日の大阪、13日の広島、14日の名古屋と、合計7本に及ぶホール・ツアーとなっている。ボズは1978年以降20回ほどの来日経験があるが、AOR全盛期の日本での人気具合はともかく、2000年代の一時期はジャズ、ブルースに特化したスタイルで3〜400人規模のジャズクラブで演奏することもあった(もちろんファンは大喜び)。2008年に行ったTOTOとのジョイント・ツアー以降は再びホール公演が行われるようになり、さらに東京ではソールドアウトが続出していて、ボズの相変わらずの人気ぶりが窺える。
     渋谷にあるBunkamuraオーチャードホールに集まったお客さんたちの年齢層は、はっきり言ってかなり高い。70年代末から日本で爆発的に流行ったAORミュージックで青春を謳歌した人たちが、皆それぞれに40年という年輪を刻んでから再会したというイメージだろうか。特に女性ファンの来場が目立った。元々クラシック、オペラ専門だったオーチャードホールでポピュラー音楽のコンサートが開かれるようになってから久しいが、演者と観客と会場が絶妙にマッチしたこの完全アダルトな雰囲気の公演は、10年ほど前に行われたキャロル・キングのコンサートをほうふつとさせた。50代の自分が若造に見えたのは、久しぶりの感覚だ(誤解のないように言いますが会場には20代〜と思しき若者たちもたくさん来ていましたよ。あくまでも比率の問題です)。

    若造で想い出すのが、1978年に行われたボズの初来日公演のこと。まだAORという言葉もブルーアイド・ソウルなんて言葉もほとんど聞かれなかった当時、全米TOP40オタクだった私は“最高にカッコイイ男”の象徴だったボズの来日情報を聞いていてもたってもいられず、チケットを購入すべく青山にある某イベンター本社前に徹夜で並んだ。当時は“良い席を確保するには徹夜で並ぶ”ことが流行っていて、結構大勢の人が寒空の下で翌朝のチケット販売開始を待っていた。たしか同じ日にELO(エレクトリック・ライト・オーケストラ)の初来日公演チケットも発売されたので、高校生だった私は両方のS席を買うほどお金を持っておらず泣く泣くボズのB席(2000円!)を購入した。徹夜して確保した武道館の2階席後方は見晴らしも良く(はい、やせ我慢してます)、オペラグラス越しに観たボズの歌う姿は一生忘れられない宝ものになった。この時も自分のまわりは年上の大人ばかりで、隣の席にいたカップルから「きみ高校生なの?渋いね〜」と言われてしまい、嬉しいやら悲しいやら...妙な想い出が残った。
     その後も武道館や代々木体育館、東京ドームといった会場で行われたソロ・ライヴやイヴェントに足しげく通いながら、その都度感じたのは“毎回その時がベスト・ライヴ”だということ。時代が変わればメンバーもアレンジも変わるし、我々ファンもそれなりに年を重ねていき、勢いのある演奏を好む時もあれば、落ち着いた雰囲気に浸りたいと思う時もある。そんなファン心理とボズの音楽の志向性がシンクロするかのように、彼のライヴはいろいろな景色を見せてくれた。

    今回のツアーは、昨年リリースされた最新作『Out Of The Blues』を引っさげてのワールド・ツアーの一環であり、ブルーズィな側面とヒット曲で綴られたAORの側面とがバランスよく選曲されているので、新旧どのファンにも受け入れられるように配慮されているのがポイントとなっている。
     さらに注目すべきは世界遺産的ベーシスト、ウィリー・ウィークスが参加していること。ダニー・ハサウェイの名盤『ライヴ』(1972年)の演奏で一躍有名になった彼は、ジョージ・ハリスンやエリック・クラプトン、ドゥービー・ブラザーズ、矢沢永吉など世界中の名だたるアーティストのツアーやレコーディングに参加したことで知られ、ボズとはアルバム『Memphis』(2013年)のレコーディングからレギュラー・メンバー化している。71歳となる彼は、今回初めてボズの来日公演に参加してくれた。ずっしりと重たく安定感があり、トーンを絞った音質で決して前へと出てこないのにも関わらず、まぁ存在感のあること。惜しむらくはベース・ソロが聴けなかったことで、これは次回に期待したい。
     またウィリーとドラマーのテディ・キャンベルは黒人同士で、ブルーズィでソウルフルなグルーヴを叩き出し、息もぴったり。ボズはよくインタヴューで自分はソウル・ミュージックを奏でているんだと答えていたが、まさにそれを聴いているような素晴らしいリズム・セクションだった。テディ・キャンベルはコーラスにも参加していて、キーボードの(お馴染み)マイケル・ローガンとパーカッションのブランリィ・メヒアスと3人で複雑なコーラス・ワークを見事にこなしていた。ボズのライヴには女性コーラスがつきものだが、今回は野郎だけ(失礼!)で美しいハーモニーを聴かせてくれたのも収穫。もうひとりのキーボーディスト、エリック・クリスタルは2002年からボズのバンドに参加していて、サックス、キーボード(サンプリング・ブラスは最高!)、そしてピアニカなど、マルチな活躍を見せてくれた。
     AOR/フュージョンには欠かせないギタリストのマイク・ミラーの存在感も素晴らしかった。チック・コリア・バンドやジノ・ヴァネリ、イエロージャケッツ、カリズマ、ブランドXに至るまで、様々なバンドに参加して壮絶なギター・ワークを聴かせてくれたマイクだが、なぜかボズのアルバムのレコーディングには参加してこなかった。ボズとマイクのギターの贅沢な掛け合いが聴けるのはコンサートのみなので、フュージョン好きはぜひ会場に足を運ぶべし。昔からステージ上をのそのそと歩き回るのがクセだったマイクだが、歩きながら繰り出される超絶テクニックは必見だ。

    そしてもちろん74歳という年齢を微塵も感じさせないボズの歌声とギター・ソロに体中が熱くなった。コンサート冒頭では高音域を歌わずセーブしていたので、ひょっとして喉を痛めているのではと心配したが、エンジンがかかりだしてからは声がよく出るわ、よく歌うわと、明日声が出なくなるのではないかと逆に心配するほど歌いまくっていた。彼の武器であるファルセット・ヴォイスも健在。ギター・テクニックに関しては、年々うまくなっているのではないかと思えるほどに。彼のルーツであるブルースの曲ではボズ自身がソロを弾き、「Look What You've Done To Me」ではボズとマイク・ミラーの2人が赤いストラトを抱え、アンコールでは2人がギター・ソロ・バトルを聴かせるなど、ボズのギタリストとしての腕前も堪能することができた。

    セット・リストは非公開なのでここでは特筆すべき点のみ挙げてみると、まずはとにかくボズの代表曲のオン・パレードだったということ。新作からのブルース・タイムでは、照明もオレンジとブルーのみのジャズクラブ的な演出に留めてじっくりと音楽に浸らせてくれ、代表曲のヒット・パレードではカラフルでド派手な演出に。なによりも嬉しいことに彼の名を世界に知らしめた名盤中の名盤『シルク・ディグリーズ』からは歴代最多となる7曲が演奏されたのだから、周辺のおじさんAORファンたちは悶絶、絶叫しっぱなしで、さらに感極まって悲鳴をあげる女性がいてボズを失笑させるなど、会場は完全に興奮の坩堝状態に陥った。
     アンコールでは近年のライヴで定番となっているボズの公式デビュー作『Boz Scaggs』(1969年)からのブルース・ナンバー「Loan Me A Dime」や、チャック・ベリーのカヴァー曲「You Never Can Tell」が聴けたし、ダブル・アンコールでは予定にはなかった「Thanks To You」(『Dig』収録)が飛び出すなど、嬉しいプレゼントも。来日直前のインタヴューでボズはセット・リストを日替わりにすると発言していたが、少なくとも仙台と東京初日では3曲ほど変わっていたので、東京公演2日目以降がどのような選曲になっていくのか楽しみだ。

    今回はいつにも増してMCが短く、「The Feeling Is Gone」を歌う前に「私のヒーローのひとり、ボビー“ブルー”ブランドの曲です」とちょこっと説明した程度。休憩なしで正味1時間50分のコンサートはあまりにも濃厚で、ブルースとソウルの豪華なレパートリーに酔いしれた最高のライヴだった。ボズの日本公演は残りわずか、令和元年に絶対観ておくべきライヴであることは間違いないだろう。

    片山 伸(Shin Katayama)

  • BOZ SCAGGS 来日直前インタビューが到着!
    2019.04.24
    いよいよ5月から約4年ぶりの来日公演がスタートするボズ・スキャッグス。5/5(日・祝)の仙台を皮切りに、東京、大阪、広島、名古屋の5都市7公演が予定されている。 今回の来日直前のインタビューでは、ツアーの見所や、気になるセットリストの内容、日本のファンへのメッセージなど語ってもらったが、ウィリー・ウィークスを要するバック・バンドは“今までで最高”と称するなど、既に気合十分のようだ。

    ——『アウト・オブ・ザ・ブルース』を携えたツアーになりますが、今回の来日公演の見所を教えて下さい。

    今回のツアーは過去にやってきた事と同じようなものだけど、新作の『アウト・オブ・ザ・ブルース』からプレイする楽曲や、素晴らしいバック・バンドと共にパフォーマンスをしているという点では、特別なツアーになっていると思う。バンドとは昨年の6月から一緒にいて、今までで最高のミュージシャンを集められたと思っているよ。勿論、新曲を披露することができるのも嬉しいけど、とにかく日本のファンの前でプレイするのが楽しみだよ。


    ——セットリストはどのような構成になりますか?昨年のツアーのセットリストを見ると『シルク・ディグリーズ』からの楽曲も沢山パフォーマンスしているようですが。

    今回のセットリストは過去のツアーに近いものになっているよ。みんながCDやレコード、ラジオで慣れ親しんでいる自分の曲をフィーチャーするのが好きなんだ。日本で非常に人気の『シルク・ディグリーズ』、『ミドル・マン』の楽曲もファンと親密になれるからプレイするのはいつだって楽しいよ。
    でも、ニュー・アルバムからのブルースの曲をプレイするのも勿論大好きで、後はバランスを取って他のアルバムからもプレイするし、毎晩セットリストは変えるつもりだよ。日本のファンのためにプレイすることが何よりも楽しみなんだ。

    ——ソロデビューから50年以上が経ちました。キャリアを通じて、常に新しいことに取り組んで、その都度多くの評価を得ていますが、音楽に取り組む上でずっとポリシーにしていることがあれば教えて下さい。

    私はただ音楽の直感に従っているんだ。長い間、その直感から全てを学んできたよ。 私は様々なジャンルの音楽が好きで、自分自身、様々なことをあえて挑戦してきたんだ。音楽のジャンルごとにそれぞれのスタイルが確立されていて、それらをミックスして一つにまとめ上げる。それが自分のスタイルだと思う。


    ——ソウル&ブルースのアルバム3部作が完結しましたが、次のアルバムの構想はありますか?

    直近のアルバムを“3部作”と言っているのは、私がR&Bやブルースを聞いて育ってきて、そのミュージシャンやソングライターに敬意を表するためなんだ。次回作はオリジナルの要素が増えると思う。少しずつオリジナルの素材をまとめようと思っているよ。もう少しバランスを取った作品になるんじゃないかな。実際はどうなるかはわからないけど、今はそう考えているよ。

    ——最後に来日公演を待ちわびている日本のファンにメッセージをお願いします。

    日本のツアーはいつも大好きなツアーの一つだよ。アメリカ以外だと特にお気に入りの場所で、今まで何回も旅行に行ったりツアーをしている。そして、自分が今までやってきた様々な音楽のスタイルを、いつも素晴らしいオーディエンスが何度も歓迎をしてくれている。本当にこの美しい国が好きで、いつも新鮮な気分にしてくれる。日本に行くたびに学ぶことが沢山あるから、文化や人々を少し深く理解できてきたよ。私にとって日本に行くことはいつも特別なことなんだ。また日本に行くことをとても楽しみにしているよ。

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