Anderson, Rabin & Wakeman/アンダーソン,ラビン&ウェイクマン

【来日予定メンバー】
▪︎ジョン・アンダーソン(Vo) ▪︎トレヴァー・ラビン(G) ▪︎リック・ウェイクマン(Key) ▪︎ルイ・モリノIII(Ds) ▪イアン・ホーナル(B)※当初予定されていたリー・ポメロイから変更

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  • Anderson, Rabin & Wakeman 最新のライブレポートと写真が到着!
    2017.02.20

    昨年10月の全米ツアーからバンド活動が始動したアンダーソン,ラビン&ウェイクマン。
    そのツアーの最終日、サンフランシスコ公演のライブ・レポートがFM COCOLOのプロデューサー古賀正恭氏から届きました。
    3月からヨーロッパ・ツアーが始まり、そして4月には待望の来日公演となります!
    ※掲載されているライブ写真は全てロサンゼルス公演となります

    2016年12月4日、何の予定も立てずに立ち寄ったサンフランシスコで偶然にもAnderson, Rabin and Wakemanの全米ツアー最終日を見ることができた。当初11月25日に予定されていたスケジュールがリスケされこの日となったものだとか。2006年あたりからすでにJon Anderson と Rick WakemanのふたりでアコースティックのLIVEをはじめたとは聞いていたが、まさかTrevor Rabinが参加し、しかもリズムセクションも参加して本格的なYESワールドの再演を繰り広げたのにはビックリした。

    ステージの上は意外にシンプル。ステージ前には下手(舞台左手)には小さいアンプを横に据えたギターのTrevor Rabin、センターには小さくお立ち台を置いてボーカルのJon Anderson、しかし上手(舞台右手)には相変わらずキーボードを10台ほど並べたRick Wakemanのスペースが大きく取られている。ステージ後方には大人しくドラムとベースが置かれている。このツアーのオープニングナンバーは「Cinema」。60年代後半に活動をスタートさせたYESはメンバーの出入りも激しく、特に1980年からの数年は実質解散状態だったのだが、その時、ベースのChris SquireとドラムのAlan Whiteがアメリカで活動していたギタリストでかつマルチプレイヤー、唄も歌えて作曲もできるTrevor Rabinを加えて作ろうとしたのが「シネマ」というバンドであり、そのバンド用に作られたのがこの「Cinema」という曲だ。つまりJon Anderson と Rick Wakemanは今回、Trevor Rabinの参加に大変敬意を払っている、ということなのだろう。もっとも、この「シネマ」というバンドの構想が結局1983年のYES再結成、そして大ヒットとなった「Owner Of A Lonely Heart」を含んだエポックメイキングなアルバム『90125(ロンリーハート)』を生んでいるのではあるが。よってこの3人のLIVEはTrevor Rabin寄りのポップなYES、ということになるのか、と思っていると、2曲目からはいきなり3枚目のアルバム『The Yes Album』から「Perpetual Change」、そして再び『90125(ロンリーハート)』から「Hold On」、そして『The Yes Album』からの「I've Seen All Good People」と大ネタとポップサイドをバランスよくちりばめている。それぞれの曲でJon Andersonの声は申し分ないほど伸びやかであり、やはりYESワールドにこの高音は必要不可欠だ。そしてマント姿は昔と同じだが、過去のアナログキーボードとはあきらかに違うRick Wakemanのサウンドは、丁寧な指弾きを多様したフレーズを中心とした彼独特のものであり、過去をなぞるのではなく、今の時代のRick Wakemanならでは、だ。またTrevor Rabinのギターはスタジオワークを多く経験しているせいか、必要以上にでしゃばらない、サウンドに溶け込んで全体を引き立てるタイプのもので好感がもてる。

    そしてここでちょっと時間を取ってのドラムソロ。ドラマーはTrevor Rabin、そしてTony Kaye,Billy Sherwood,らとの仕事をこなしていたアメリカ人のLouis Molino III。さすがにこのメンバーに抜擢されるだけあって、テクニックは抜群。従来のYESのメンバーの中では一番柔軟な姿勢のドラマーだ。そしてベーシストはTake ThatやIt Bites、そしてRick Wakemanのバンドマン、Lee Pomeroy。派手さはないが、しっかりとバックを固めている。ドラムソロを受けてのナンバーはあの8人メンバーで再結成された1991年のアルバム『Union』からの曲「Lift Me Up」。Trevor Rabinの曲だ。このようにポップな曲とディープな曲を交互に展開しながらも徐々に深くYESワールドに浸されていく。『危機(Close to the Edge)』からの「And You and I」や『こわれもの(Fragile)』の「Heart of the Sunrise」、や「Long Distance Runaround」、「The Fish (Schindleria Praematurus)」、そして1977年のアルバム『究極(Going for the One)』からの曲「Awaken」でピークに。複雑でありながらドラマチックな構成、そして後半のハープを弾きながらJon Andersonがしっとりと歌い上げる、これぞYES、という1曲だ。そして本編最後にはお約束の「Owner of a Lonely Heart」。意外だったのはギターのTrevorとショルダーキーボードを持ったRickのふたりがお茶目にも客席に降りていって練り歩いたり、ステージではJonとベースのLeeがアイドルのように振り付けをしながら踊っている、という軽いノリを見せていたこと。こんなアッパーな姿も今のツアーが順調だったことを象徴しているのだろう。アンコールにはまさかこのメンバーでも演奏するとは思っていなかった「Roundabout」。さすがにこのときばかりはSteve Howeにいてほしかった、と思ったが、全体にはこれだけ深いYESワールドを見せ付けられて大満足。4月の日本公演ではさらに深化したYESワールドを期待できるのではないだろうか。

    古賀正恭(FM COCOLO プロデューサー)

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